忍者ブログ
MASTER →  ADMIN / NEW ENTRY / COMMENT
裏日記
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

久々にブログUPします。
FBの書き込みをしてると、中途半端に満たされてしまった、なかなかこちらをUPできませんが、しがらみなく意見を表明するには、FBは適さないので…。

フェミニズムのことをよく分かっていないのに、フェミニズム本を批判するので!

この本は、職場の先輩精神科医から勧められて読んだのですが、読み進めながらなかなか腹が立ちましたよ!

中学生向けの啓蒙本なんですが、中学生が読んだら不幸になるよ、これ。

まず、マスとしての生物学的脳みその男女差への理解があまりにもなく、社会や
環境によって性差が作られると思い込んでいる。
性ホルモンの脳への影響をバカにすんなよ。
こちとら生まれる前から浴びてんだよぅ。

もちろん、マスとしての性差があったとしても、個人個人の個性を尊重すると
いう姿勢が大切だということは大前提。

(読了後、ネットでいろいろ調べまし
たが、フェミニストにもいろいろ派閥があって、生物的差異を重視するフェミニズムもあるようです。
もはや、フェミニストという言葉だけでは、どんな信条か分からないくらい分化
していますねぇ。)

料理や洗濯、子育てを楽しみ、外で働かないという選択を「させられている」の
か「している」のか。
させられている人も選んでしている人もいるでしょう。
選んでいる人に対して、あたかも「洗脳」と決めつけているのも気に食わないです。

私だったら、大好きなパートナーのためにおいしいケーキを焼いてあげることも、
営業でガンガン成績を上げて一番を目指すのも、どっちもすばらしい、自分に向いていることを探そうね、というのが伝えたいこと。
前者を貶める必要はないのです。

それから、さまざまな例示がいちいち引っかかりました。

女の子は自分の女の子らしさを隠すこともできると、
「ヤマンバ」「ルーズソックス」「ゴスロリ」を並列させるのは、私に言わせれば、ちっとも分かっ
ていないね。
「ヤマンバ」と「ゴスロリ」は共通していますが、当時の「ルーズソックス」は
これでもかというほど女らしさの表現ですよ。

それから、あんぱんまんやサッカー選手を例に挙げ、女の子はヒーローになれな
い、と書いてあるのは、2007年にしてはちょっと例が悪いですね。
なでしこの活躍はもちろんですが、

メディア論でいくなら、

女の子はプリキュアになれるんです。
プリキュアは、「女の子だって暴れたい」をコンセプトに、それまでの少女アニ
メのタブーを破って作られたんですけど(詳しすぎてごめんなさい)、今の女の
子は、可愛くってキラキラしていていながら、敵を肉弾戦でやっつけるんです。

今の女の子はキラキラも肉弾戦も両方しなければいけないから大変!というところを分析した方が絶対面白い。

(ついでに言うと、ガンダムのアムロ、エヴァンゲリオンのシンジ、と、男の子
はどんどんひ弱になっています。噂によると、仮面ライダーもかなりひ弱になっ
たと聞きます。ひ弱なのに戦いに巻き込まれていくのが今のヒーロー像です。)

というわけで、批判的読書日記でした。
PR
森田正馬は精神科医にとってはとても有名な医師で、「あるがまま」で有名な森田療法の始祖です。

今まではフロイトと同世代、とざっくり理解していたのですが、さきほど調べたところ、フロイトよりも18年後の1874年生まれ、私のちょうど100歳年上(笑!)です。

あんまり有名なので、みなさんも学生時代も習ったかもしれないです。


精神医学は不思議な学問で、分からないことがまだたくさんあるし、日進月歩の脳神経科学的研究の論文とともに、100年前の教科書が「普通の医者」に読み返されたりもすることがあります。


私は普通よりも勉強熱心ではない方の医者で、例えばフロイトやユングも原典にあたることなく、要領よくまとめられたレビューのような本を好んできましたが、先日診療しながら、まずは森田療法の原典を読もう、という気持ちになりまして、『新版 神経質の本態と療法』を購入しました。新版なので、読みやすい日本語でかかれていますが、おおもと書かれたは1922年の論文みたいです。


これがねぇ、あまりに面白くって。

ほんと、痛快というか、なんというか。

162P 胃痙攣様発作の例 より。

『私はただちにこの患者を入院させて、絶対臥褥療法を行い、患者は最近、毎日朝夕2回、発作があって、午後は毎日6時ごろに発作がくる習慣であったから、その臥褥の第一日目に患者に対して、診察および治療のためという口実をもとに、予定の時間よりもなるべく早く、自分でつとめて強い発作を起こしてみるように命じたのである。ところが、その夜は発作が少しも起こってこない。』

この患者さんは10年来のヒステリーなのですが、発作を起こしなさいと命じられることで、発作がなくなっちゃった、という話なのです。


うわ~、治るだろうな~。


森田療法は治療として現在も専門病院がありますし、日本人の医者は少なからずの影響をこの方から受けていると思います。

この本の中でも、正しい診断があってこその治療、と繰り返されており、森田正馬というカリスマが、正確無比な診断をした上で、ズバーン、と治療面接をするからこそ、10年来の「森田神経質」が治っちゃうんだと思います。


(凡人がまねをしたら火傷をすること間違いなし。)


遠慮なく、フロイトを批判し、すごい説得力の文章で100年後の精神科医をわくわくさせる本を書いておられます。

こんなに面白いなら、めんどくさがらず原典にあたるのが一番だなぁ~、と思った、医師免許を取って13年目の春でありました。
今、TVで盲聾者について特集しています。

自分はまだ盲聾者の患者さんを担当したことはないですが、知的障害+盲など、重複障害の患者さんを担当したことはあります。
色々な障害のある人がなるべく幸せに、選択肢の多い生活が送れるといいなぁと、心から思います。


さて、最近図書館で借りてくる本に「当たり」が多く、うれしいです(その前に「ハズレ」ばかりひく時期が長かったのもあって余計に)。


『幸福の研究 ハーバード元学長が教える幸福な社会』デレック・ボック

精神医学や心理学の本ではなく社会学の本。幸福を科学的に分析して、人々がより幸福に感じられる世の中になるように政治を考えよう、という本です。引用文献だらけの、とても真面目な本ですが、結構読みやすかった。
例えば、
経済的により富裕な層の方が、より貧困な層よりも人生に満足している割合は高い。しかし社会全体の所得が上がっても、満足度の割合は変わらない。
単純に「お金があれば幸せ」ではないようだ。
(仕事の満足感や社会的ステイタスなど、富裕層がお金以外に持っていることの多い条件が、幸福感に結びついている。モノで得られる高揚感は短い。)

→ だから現金を配るような政策は、市民の幸せにはあまり結びつかないようだ→じゃあどんな施策が幸せに結びついていくか。

我々医者に関係していそうな話題としては、

疼痛は幸福を阻害するから、正しい疼痛コントロールが必要。でもオピオイドの過量投与の締め付けが厳しいから医者が委縮して十分量を投与できない現状(アメリカの話)。もっときちんと法整備して、必要十分量オピオイドを処方できるように、また医師がオピオイドを含めた疼痛コントロールに精通できるような教育システムが必要じゃないか。

とか。
幸福自体を研究するって、面白いなぁ、と思いました。
私ってミクロ視点だから、マクロな話はすごく面白いです。

もう一冊本の紹介です。

コロボックルシリーズで有名な佐藤さとるさんが、自分のお父さんのことを書いた、
『海の志願兵』。

(私は、サンタクロースはいないけど、コロボックルはもしかしているんじゃないかと、小学校中学年までは信じていたぐらい、コロボックルシリーズにはハマりました。)

御高齢の佐藤さとるさんのさらにお父様の話です。

屯田兵の子として北海道で生まれ、読書好きの秀才、農家を継ぐのが嫌で海軍の志願兵となり、順調に出世していかれます。
とっても筆まめで、絵も書くので、たくさん記録が残っているようです。

話は子ども時代から、第一次世界大戦まで。

兵隊さんの話だけどいわゆる戦争ものではないです。
日本の戦局が厳しくなる前の、規律は厳しいけどどこかのんびりもしている海軍で
、ペーペーから下士官になるまでの青春物語です。

物語は、あえて平和で美しいシーンで終わりますが、あとがきを読んでね…。
スゴイいい本だったけど、高いので購入予定なし。
明日図書館に返すので、備忘録的に記事にしておきます。


『世界の少数民族文化図鑑 失われつつある土着民族の伝統的な暮らし』ビアーズ・ギボン著 福井正子訳

これは図鑑サイズの図鑑で(つまり大きい)、いろんな民族の写真がふんだんに載っていて、眺めているだけでもとても楽しくて、記事を読んでも興味深かったです。

85ページのシャー山脈のドニェリュビニェ村の花嫁さんの写真は、息をのむほど美しかったです。

104ページの南アフリカのサン族の母子の写真、4歳の息子を筋骨隆々の「お母さん」が楽楽抱えて授乳している写真、脱帽です。
子どもが飲んでいない方の乳首をサワサワしています。そのやり方が全くうちの娘といっしょです。何か生物学的な意味がある行動なのでしょうか(例えば、出を良くするためのマッサージとか)?


他にも、ボディペインティングや入れ墨、装飾のための瘢痕(今まで知らなかったけど、色んな民族がしているみたい)、美しかったし興味深かったです。
あまりのおもしろさに驚きました。

ネタばれしないようには紹介が難しいので、内容はさておき、読後の興奮だけお伝えします。


先日図書館に行き、娘を泳がせながら児童書の棚を眺めていると、『獣の奏者』のⅠとⅡを見つけました。
NHKでアニメ化されているのは知っていましたし、もともと児童文学は好きなので、何気なく借りてきたのです。

でも、もう初めの数ページで惹きこまれてしまって、「こりゃあハリポタ越えだな」と呟きつつ、家事や育児を放り出して自室に閉じこもり読書に没頭した、い気分になりましたよ。
(実際は色々忙しいので、細切れ読みです(涙))


内容は壮大です。

差別、ヒトが他の種を支配するということ、信仰、戦争、家族(血)といったテーマを扱い、非常に重たい内容です。
物語の設定は、ファンタジーであるにも拘らず、リアルです。
(ハリポタもそうですが、架空の食べ物がおいしそうで匂いまで届きそうな描写がある)

Ⅱ巻で、一旦、これ以上にない、という形で完結します。

しかし、その後ⅢⅣ巻の続編が出たようです。


図書館で借りられるまで待てないのは火を見るより明らかなので、1巻を読み終わらないうちからハードカバーを大人買いしました。外伝も買いました。

(大人でよかった。親に「図書館で順番を待ちなさい」とか、「試験が終わってからにしなさい」とか言われないのって、この上ない幸せですね。大人サイコー!)


さっき、全部読み終わったのですが、Ⅱで美しく終わったのにもかかわらず、Ⅲ、Ⅳも素晴らしかった。
外伝も読んで良かった。

(夫と感想を言い合いたいので、読んでもらおう。)


この本は、児童文学じゃないですね。
何かと容赦ないです。


この作者の他のシリーズも読んでみようと思います。

 1  2  3  4  ≫
HOME
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新TB
プロフィール
HN:
ニャム
性別:
女性
職業:
とある専門職
趣味:
読書とブログ
自己紹介:
なるべく前向きな人生を探ります。
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]