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裏日記
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森田正馬は精神科医にとってはとても有名な医師で、「あるがまま」で有名な森田療法の始祖です。

今まではフロイトと同世代、とざっくり理解していたのですが、さきほど調べたところ、フロイトよりも18年後の1874年生まれ、私のちょうど100歳年上(笑!)です。

あんまり有名なので、みなさんも学生時代も習ったかもしれないです。


精神医学は不思議な学問で、分からないことがまだたくさんあるし、日進月歩の脳神経科学的研究の論文とともに、100年前の教科書が「普通の医者」に読み返されたりもすることがあります。


私は普通よりも勉強熱心ではない方の医者で、例えばフロイトやユングも原典にあたることなく、要領よくまとめられたレビューのような本を好んできましたが、先日診療しながら、まずは森田療法の原典を読もう、という気持ちになりまして、『新版 神経質の本態と療法』を購入しました。新版なので、読みやすい日本語でかかれていますが、おおもと書かれたは1922年の論文みたいです。


これがねぇ、あまりに面白くって。

ほんと、痛快というか、なんというか。

162P 胃痙攣様発作の例 より。

『私はただちにこの患者を入院させて、絶対臥褥療法を行い、患者は最近、毎日朝夕2回、発作があって、午後は毎日6時ごろに発作がくる習慣であったから、その臥褥の第一日目に患者に対して、診察および治療のためという口実をもとに、予定の時間よりもなるべく早く、自分でつとめて強い発作を起こしてみるように命じたのである。ところが、その夜は発作が少しも起こってこない。』

この患者さんは10年来のヒステリーなのですが、発作を起こしなさいと命じられることで、発作がなくなっちゃった、という話なのです。


うわ~、治るだろうな~。


森田療法は治療として現在も専門病院がありますし、日本人の医者は少なからずの影響をこの方から受けていると思います。

この本の中でも、正しい診断があってこその治療、と繰り返されており、森田正馬というカリスマが、正確無比な診断をした上で、ズバーン、と治療面接をするからこそ、10年来の「森田神経質」が治っちゃうんだと思います。


(凡人がまねをしたら火傷をすること間違いなし。)


遠慮なく、フロイトを批判し、すごい説得力の文章で100年後の精神科医をわくわくさせる本を書いておられます。

こんなに面白いなら、めんどくさがらず原典にあたるのが一番だなぁ~、と思った、医師免許を取って13年目の春でありました。
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