裏日記
2期目に突入した編み物熱も少し落ち着いたので、最近の余暇活動はもっぱら読書です。
<ネタばれ注意!>
『仮想儀礼』篠田節子
今年度下半期No.1の面白さでした。
(私、この方の書いた本をこの数年でたくさん読みましたが、ほとんどハズレがありません。)
普通の感覚を持った男が、ビジネス感覚で新興宗教を始めると…、という話なのですが、前半はとんとん拍子で宗教ビジネスが成功していくワクワクした面白さ、後半は急転落するのですが、それがまたものすごくドラマチックな展開です。
上下巻、まったくだれることなく、ジェットコースターにのった気分で読み終えました。
教祖が普通の人ゆえ、前半は、自分が宗教を起こすとしてもこんな感覚でやるかも、と、感情移入する楽しさもあります。
後半、周囲が狂気に陥っていく中、教祖となる主人公が、最後の数ページまで普通の感覚なんです。
信じる者のエネルギーは、教祖をも飲み込んでいきます。
信じる力は、偽物を本物にするのでしょうか?
読後、あまりのおもしろさに興奮が収まらず、世間のみなさんの感想が知りたいと思い、ネットでレビュー検索をしました。
すると複数の読書好きが、
新興宗教を扱った小説として、篠田さんの『仮想儀礼』と、新堂冬樹の『カリスマ』を比較していたのです。
新堂冬樹は私の知らない作者でしたが、読者レビューを読みながら、これは読まなきゃ、と思ったのでした。
『カリスマ』 新堂冬樹
うーん、面白かったんだけど、これは家族には勧められないタイプの本でした。
なぜならエロ、グロのため!
カルトにはまった母親が、父親を殺してから自殺した、という悲惨な経験を持つ男が、自分の家族を奪った神に復讐するために、自ら新興宗教を起こし、征服欲、金銭欲、食欲、性欲、にまみれ下司の限りを尽くします。
この男以外にも、下司な人間がたくさん出てきます。
主要人物の1人に、教祖の母親に瓜二つの妻を持つ男がいるのですが、これが、また、矮小なことこの上なく、ええつ!ここまで書くの!と読んでいるこちらが驚くほど、恥ずかしく情けないのです。
例えば、息子に仕事ができる父親と思われたくて、息子の前で117に電話をかけ、部下をしかり飛ばす演技をするのだけど、息子がリダイアルボタンをしてすぐばれる、とか。
ストーリーはほんとに面白く、最初から最後まで一気に読みましたし、どんでん返しにつぐどんでん返しがあり、終わり方の予想もつきませんでした。
でもとにかくやたらとエロ・グロ描写が多く、文体も独特、漫画的とでもいいましょうか。嫌いな人は大っきらいな作風でしょうね。
と言うわけで、皆様にお勧めするのは『仮想儀礼』だけど、きれいごとすぎるなぁ、と思ったら、汚いものを読んでバランスを取るつもりで、『カリスマ』を読んでみてはいかがでしょうか。
『カリスマ』を読んで、思い出したのが徳弘正也の『狂四朗2030』です。
『狂四朗2030』は、ほんとにストーリーが面白くて、深くて、考えさせられるし、ラストもとっても素敵なんだけど、まあ、とにかくエロ・グロで。
マンガだからエロシーンの多さに、電車ではとても読めなーい。
これを読んだ時も、ここまでエロ・グロでなければもっと面白くてもっと売れるだろうと思ったのですが、やっぱり、作者の思いがあるんでしょうね。
新堂冬樹は、執拗なエロ・グロ表現の中に、新興宗教の歪みを表現したかったのでしょうし、徳弘正也は真実の愛を表現したかったのでしょう。
でもさ、女性読者の気持ちも考えてくれよ~、と叫びたくなる私でした。
<ネタばれ注意!>
『仮想儀礼』篠田節子
今年度下半期No.1の面白さでした。
(私、この方の書いた本をこの数年でたくさん読みましたが、ほとんどハズレがありません。)
普通の感覚を持った男が、ビジネス感覚で新興宗教を始めると…、という話なのですが、前半はとんとん拍子で宗教ビジネスが成功していくワクワクした面白さ、後半は急転落するのですが、それがまたものすごくドラマチックな展開です。
上下巻、まったくだれることなく、ジェットコースターにのった気分で読み終えました。
教祖が普通の人ゆえ、前半は、自分が宗教を起こすとしてもこんな感覚でやるかも、と、感情移入する楽しさもあります。
後半、周囲が狂気に陥っていく中、教祖となる主人公が、最後の数ページまで普通の感覚なんです。
信じる者のエネルギーは、教祖をも飲み込んでいきます。
信じる力は、偽物を本物にするのでしょうか?
読後、あまりのおもしろさに興奮が収まらず、世間のみなさんの感想が知りたいと思い、ネットでレビュー検索をしました。
すると複数の読書好きが、
新興宗教を扱った小説として、篠田さんの『仮想儀礼』と、新堂冬樹の『カリスマ』を比較していたのです。
新堂冬樹は私の知らない作者でしたが、読者レビューを読みながら、これは読まなきゃ、と思ったのでした。
『カリスマ』 新堂冬樹
うーん、面白かったんだけど、これは家族には勧められないタイプの本でした。
なぜならエロ、グロのため!
カルトにはまった母親が、父親を殺してから自殺した、という悲惨な経験を持つ男が、自分の家族を奪った神に復讐するために、自ら新興宗教を起こし、征服欲、金銭欲、食欲、性欲、にまみれ下司の限りを尽くします。
この男以外にも、下司な人間がたくさん出てきます。
主要人物の1人に、教祖の母親に瓜二つの妻を持つ男がいるのですが、これが、また、矮小なことこの上なく、ええつ!ここまで書くの!と読んでいるこちらが驚くほど、恥ずかしく情けないのです。
例えば、息子に仕事ができる父親と思われたくて、息子の前で117に電話をかけ、部下をしかり飛ばす演技をするのだけど、息子がリダイアルボタンをしてすぐばれる、とか。
ストーリーはほんとに面白く、最初から最後まで一気に読みましたし、どんでん返しにつぐどんでん返しがあり、終わり方の予想もつきませんでした。
でもとにかくやたらとエロ・グロ描写が多く、文体も独特、漫画的とでもいいましょうか。嫌いな人は大っきらいな作風でしょうね。
と言うわけで、皆様にお勧めするのは『仮想儀礼』だけど、きれいごとすぎるなぁ、と思ったら、汚いものを読んでバランスを取るつもりで、『カリスマ』を読んでみてはいかがでしょうか。
『カリスマ』を読んで、思い出したのが徳弘正也の『狂四朗2030』です。
『狂四朗2030』は、ほんとにストーリーが面白くて、深くて、考えさせられるし、ラストもとっても素敵なんだけど、まあ、とにかくエロ・グロで。
マンガだからエロシーンの多さに、電車ではとても読めなーい。
これを読んだ時も、ここまでエロ・グロでなければもっと面白くてもっと売れるだろうと思ったのですが、やっぱり、作者の思いがあるんでしょうね。
新堂冬樹は、執拗なエロ・グロ表現の中に、新興宗教の歪みを表現したかったのでしょうし、徳弘正也は真実の愛を表現したかったのでしょう。
でもさ、女性読者の気持ちも考えてくれよ~、と叫びたくなる私でした。
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