うちの夫はSEなんだけど、時どき何やら難しそうな試験を受けている。
新婚の頃から「試験勉強しなきゃ」といっては分厚い教科書を買い込み、出かける時にも持ち歩き、そして一向に勉強しない。
こっちはこっちでなんとなしに落ち着かないので、
「勉強するならする、しないならしない、はっきりしてくれ!」
と怒ったりする。
そしてとある休日、どこやらに試験を受けに出かけていき、帰宅すると必ず
「落ちたに決まってる!ちっとも勉強しなかったからねぇ・・」と言う。私は「落ちるくらいなら受けなきゃいいのに」と、冷酷な言葉を浴びせかける。
とはいえ、忘れた頃の合格発表、結構受かっていることが多いのだ。
SEの業界のことなんて、門外漢の私には分からないから、先日夫が「プロジェクトマネージャー」なる試験に合格した時も、「ふーん、おめでとう。良かったね。」で済ましてしまった。私にとっては、いつものように「落ちた落ちた」と言ってて受かってるパターンね、ってやつだ。
世の奥様方で、ダンナと同業種の人は別に多数派ではないだろう。
(たまたま女医の夫が男医であることが多いだけで。)
だから私の反応は世の多数派に位置するもので、まあ、いたし方ないのではないか。
しかし夫は不満だったようだ。
うっすら私も気が付いていたのだ。
夫婦の会話の中に、合格して「完結」したはずの試験の話が、ちらほら出てくることに。
上司が褒めてくれた、とか、一緒に受けた○○くんは落ちちゃった、とか、「上司が部下に取らせたい資格ナンバーワンらしいよ」とか。
そんなある日、海外にいる私の母から電話が入った。母は今、父と共に語学留学中で、1日120分×3回の授業でアップアップしているらしい。
なにげに夫に電話を変わると、二言三言挨拶を交わした後、試験に合格したことを報告し始めるではないか!!
「最近僕もね、プロジェクトマネージャーっていう、難しい試験を受けて、合格したんですよ」
(話題は一応勉強にかけられているらしい)
そうすると母は、側にいる私にも聞こえる大きな声で!!
「すごい!偉かったね!ご褒美かってあげなきゃ♪」
と褒める、褒める。
電話を切った後の夫。若干照れながら
「いやあ、お義母さんが勉強がんばっているって言うから、なんとなく話しただけなんだけどね」
なるほど、これが私に欠けていたものか・・・。
もっと感心なければいけなかったんだね、とコメントすると、プロジェクトマネージャーは結構大変な資格なのに、私の反応があっさりしすぎていて、寂しかったそうだ。
「あなた!すごいわ!!今日はすき焼きよ!!」
repeat after me!
「ANATA! SUGOIWA! KYOUWA SUKIYAKI YO!」
すき焼きは、自分が食べたいときに作っておりました。
夫婦は他人と他人が寄り添うもの。家庭は社会で戦った後安らぐ場所。
結婚してはや6年。
嫁道の道はまだまだ厳しいのだ。
(プロジェクトマネージャーがどんな資格か知らなくとも、褒めて欲しい夫の気持ちを汲み取った母にはまだ敵わない)
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