痛みについての考察が続きます。
今、「幸福を定義せよ」といわれたら、迷わず
「痛みがないこと」
を条件に挙げるでしょう。
実は今、外科系の痛みを抱えております。
いえ、30も超えて、人一人産み落とした今、恥ずかしいことなんてなんもないんですけどね。あえて病名伏せますが、人類が2足歩行を始めちまったばっかりに痛くなるあれ、神様がヒトを設計する時にうっかりミスったと言われるあれです。
出産や授乳(水分を奪われるので便秘になる)をきっかけに急性増悪。ある晩、耐え難い痛みに夜も寝られなくなってしまいました。
初めて外科のCクリニックに行ったんだけど、診断としては大したことはなく(Ⅰ度)、授乳中だから内服薬も出してもらえませんでした。
しかし、その後2週間。良くなる気配なし。
いや、ほんとに辛いんですよ。
排便の度に地獄の苦しみで、その後何時間もズキズキ痛む。痛みを抱えて幼子と二人きり。母が苦しむと幼子は決まって泣き出すのです。
この手の薬はまず大丈夫とは知っていても、なるべく内服は控えたいと我慢して、で、痛みに耐えかねて鎮痛剤を飲む、どうせ飲むならさっさと飲めばよかった、と後悔を繰り返し・・・。
手持ちのロキソニンも底をつきそうで、気分まで落ち込んでくるのでした。
私は一生この痛みを抱えていくのでしょうか、神様。
2週間後の再診、C先生がどうしましたかと声をかけた瞬間のこと。
「先生痛いんです。母乳に移行していいからお薬を下さい。」
と泣きつく授乳婦。
はい、私もね、妊娠中の人や授乳中の人には薬出したくありません。特に初診の患者さんはね。飲まないと死ぬ病気じゃないしね。医者に責任が集中するようなシステムだからね。
でも、やはりそこはインフォームドコンセント。患者さんが真の意味で選べるように説明したいものです。
(ちなみにC先生は私の決意を汲み取り、今度は薬をくれました)
それからさらに10日たち、少しづつ改善の兆し。
その病気はなんともつらいらしいですね・・・産後のお母さん方が子供をつれて来られる都合上,女医ということで,その病気の相談を受けることが多いこと,多いこと。授乳中でも大抵の薬は大丈夫なので,と出してしまう私ですが,それはなんとも専門外の疾患だし,その部位を診る気もないので(たぶん分からない),専門科の受診を勧めて落胆させています。
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